パイロットプロジェクト:
オープンネットワーキング
同種のプロバイダの多くと同様に、senseLAN 社は従来より、規模が大きな有名ネットワーク企業と同じネットワーキングプラットフォームを使用しています。「ただし、私たちは全体としてオープンソースの知識が非常に豊富で、サーバーの多くは Linux で稼働しています。Windows はほとんどまったく使っていません」と述べたのは、senseLAN 社のシステムエンジニアである Martin Kolly 氏です。そのため、チームはネットワーク機能に関するものを含め、豊富な Linux のノウハウを持っています。
無料の Quagga Software Routing Suite による初期テストが完了した後、Martin Kolly 氏のチームは 2016 年 4 月に、Cumulus Networks 社が提供するオープンな Linux ベースのネットワークオペレーティングシステムを使用してパイロットプロジェクトを開始することを決めました。チームは、仮想化プラットフォームを選択しました。それが、およそ 15,000 アカウントを持つメールインフラストラクチャと、DHCP や仮想の顧客用サーバーなど、その他の内部ネットワークサービスを運用するために使用されます。「私たちの仮想化プラットフォームは CloudStack に基づいていて、仮想ルーターをサポートしているので、ここで Linux ベースのルーティングを使用するという選択肢は非常に受け入れやすいものでした。」
プロジェクトは 2016 年の夏に実施されました。秋には、仮想化されたネットワークインフラストラクチャで、Cumulus Linux と Edgecore 製の 2 台の
AS5712-54X オープンネットワーキングスイッチの運用を開始しましたが、それはまだ、公式にはパイロットとしてでした。ただし、Martin Kolly 氏は次のように述べています。「私たちの経験は一貫してよいものでしたし、新しい環境はすでに展開されています。」
肯定的な経験
senseLAN 社にとって、オープンなネットワーキングプラットフォームの主な長所は、Cumulus オペレーティングシステムが Linux ベースであることです。「すでに Linux に慣れ親しんでいれば、新しいプラットフォームにもすぐになじめます。既存の Linux 環境に統合するのはとても簡単で、Ansible など、同じ管理や自動化のツールを使用して管理できます。」構成と監視が非常に簡単であるという評判が、Cumulus が選ばれた主な理由の 1 つとなっています。
コストの節約も、決定の一要因だったそうです。ただし、プラットフォームの利用を開始するときには、Cumulus のスクリプト構文の詳細に習熟することが必要です。スタッフはもちろん、仮想化プラットフォームの外で使用される従来のネットワークインフラストラクチャについては長年の経験を有していましたが、確かに違いがあります。「しかし、いったん設定が正しく構成されてしまえば、Cumulus ベースのネットワークは非常に信頼性が高いのです。」
Cumulus 社の Web サイトで提供されているドキュメントもすばらしいと Kolly 氏は述べています。「具体的な例で、従来の構成が示され、それを Cumulus でどのように行うかが比較されています。」Kolly 氏は、Boll Engineering 社とのしっかりしたパートナ関係についても称賛しています。「私たちはすでに、この企業のことはよく知っていましたが、このプロジェクトでも、どの製品が私たちに最適か、最も道理にかなうかに関して、良いアドバイスをしてくれました。」senseLAN 社のチームはその後、実際のインストールと構成を自力で完了しました。
この事例で使用されたモデル
2 台の
AS5712-54X 10GbE データセンタースイッチ(48 個の 10G SFP+ ポートと 6 個の 40G QSFP+ アップリンクポートを装備)が、スパインスイッチへのアップリンクと、コントローラや計算ノードへのダウンリンクを持つリーフスイッチとして機能。
SenseLAN 社のプロジェクトの詳細については、こちらの
PDF ファイルをご覧ください。